実施報告: 萩燃ゆフォーラム ~自分たちの手で地方からイノベーションを~ (2016年3月12日)


日程 2016年3月12日(土) 10:00~17:00
会場  山口県萩市向431-2 「JAあぶらんど萩」 3階大ホール
主催  ITコーディネータやまぐち協同組合(ITCY)、経営情報学会「中小企業のIT経営研究部会」
協賛 富士ゼロックス山口株式会社
後援 山口県、やまぐち産業振興財団、山口県中小企業団体中央会、山口県情報産業協会、萩市、萩商工会議所、萩市観光協会
  ITコーディネータ協会(ITCA)、クラウドサービス推進機構(CSPA)、日本イノベーション融合学会(IFSJ)


前日の会場準備の段階(写真左)では曇りのち雨と生憎の天気でしたが、3/12(土)のフォーラム当日は晴天に恵まれました。

 


開場から多くの方にご来場頂き、最終的には参加者数130名の盛会となりました。急遽座席を増設し、配布資料も底をつく程でした。

 

当組合理事長の三宅功一郎、共催の経営情報学会主査 高島利尚様による挨拶の後、山口県商工労働部長 阿野徹夫様、萩市長 野村興児様からの祝辞を賜り、開幕となりました。

 


第一部「日本の中小企業のIT利活用動向」では、「攻めのIT経営」をメインテーマに、

  • ITコーディネータ協会会長 播磨崇様
  • 中小企業百選 選定委員長 明治大学経営学部教授 岡田浩一様

にお話し頂きました。

 


第二部「萩がIT先進都市に変貌か」では、

  • 鉄骨建築3Dソフト売上日本一の株式会社データロジック 常務取締役 波田正幸様
  • 萩を拠点にテレワークを展開されてらっしゃる株式会社ダンクソフト 代表取締役CEO デジタルアーキテクト 星野晃一郎様
  • 萩にテクニカルセンターを開設された株式会社ネットケアサービス 取締役兼営業部長 金子竜二様
  • アクティブラーニングによるITの活用を教育現場に適用されてらっしゃる山口県立萩商工高等学校 情報デザイン科長 松嶋渉様
  • 中高生にスマホアプリ作りを通じて自信と夢を持たせる活動をされてらっしゃる萩Love 代表 大平憲二様

にそれぞれのご活動をご紹介頂きました。

 

一連の講演後の質疑応答では、ワークライフバランスに関する質問等様々なものが寄せられ、講演者の皆様からは萩にオフィスを構えることによる効果や課題について率直なご意見をお聞かせ頂きました。

 


第三部「第一次産業でのイノベーション経営事例研究」では、

  • 漁協女性部での小さな取り組みからスタートし、地域を巻き込んだ飲食事業に展開された株式会社三見シーマザーズ 代表 吉村栄子様
  • 萩の夏みかんという「地域の宝」が持つ本来の特性を評価しなおし、そこに新たな価値を見出すことで事業化を進めてらっしゃる特定非営利活動法人 萩の夏みかんクリエイト 代表理事 清水明人様
  • 2013年夏の大洪水で水没した酒蔵から見事に立ち直られた、山口県を代表する銘柄の一つである「東洋美人」で有名な株式会社澄川酒造場 取締役会長 澄川隆俊様

にお話し頂きました。

 

第一次産業において、ITをどのように現状の経営に生かしているかというお話というよりは、第一次産業における現状の取組みや課題をお話いただいた事で、今後ITをどのように利活用していけばいいかを考えるきっかけを与えて頂きました。

 


第四部「第二次産業でのイノベーション経営事例研究」では、

  • 明治以降途絶えてしまった萩のガラス製法を復活させ、さらにセラミック製造技術によるバイオ燃料精製分野でイノベーションを実践されてらっしゃる萩ガラス工房有限会社 代表取締役 藤田 洪太郎様
  • 伝統工芸品の桐箱製造販売中心から、高級おせちなどで使用される木箱の市場で日本一のシェアを持つに至った株式会社美萩工芸 代表取締役社長 小野博巳様
  • 萩焼の伝統を守りつつ、新たな挑戦として様々な取り組みを実践されてらっしゃる萩青年会議所 監事 岡田泰様

にお話し頂きました。

 

モノづくりでの既にある強みを生かすだけではなく、貪欲に関連する新たな分野でのイノベーションを志向する事例、自社の強みを正確に把握した上で、それを生かせる新たな市場を開拓する事例、地域に埋もれた「財」を再評価し、その価値を最大限発揮できるプラットフォーム作りを地域一丸で試行する事例と、バラエティに富んだ内容でした。

 


第五部「地域活性化にITを活用する提言」では、当組合所属の前田信太郎ITコーディネータから、当組合の活動として、観光案内スマホアプリ「ふらっと案内」の事例についてもお話させていただく予定でしたが、時間も押していたため割愛し、本フォーラム開催に込めた故郷萩への想いや、ITを経営や地域振興に生かすことの重要性を、自らの半世紀にわたる経験も交えてお話させて頂きました。

 

最後にまとめと挨拶として、経営情報学会 クラウドサービス推進機構理事長 松島桂樹様より、本フォーラムを振り返った総括を頂き、盛況のうちに閉会となりました。

 


会場内展示物